「わかってください」 災害時に障害児(者)にできる援助

「わかってください」
障害者(児)が困ったときに必要な周囲の理解と援助
~特に事故・災害・事件などの非常時のために~

知っていれば、少しでもお役にたてるかもしれません。

 

耳の不自由な人
◆理解して欲しいこと◆
・一見しただけでは障害があることがわかりません。
・サイレンやスピーカーの内容がわかりません。
・周囲の状況把握が困難です。

◆援助にあたりお願いしたいこと◆
・伝えたいことは、紙に書いたり身振りで伝えてください。
・手話ができる人がいたら、協力してください。

目の不自由な人
◆理解して欲しいこと◆
・介助してくださる方がいないと歩けません。
・大半の人が、危険なことがわかりません。
・普段はコミュニケーションがとれていても、災害時には、難しくなります。
・情報は耳だけです。

◆援助にあたりお願いしたいこと◆
・音と言葉で情報を提供してください。
・気軽に声をかけてください。
・急に腕をひっぱらないでください。
・肩や腕を貸してください。
・介助のやり方には、個人差があるので、本人に確認をして指示に従ってください。

知的障害がある人
◆理解して欲しいこと◆
・外見上、知的障害があることがわからない人もいます。
・説明しても、言葉や意味を理解できない人もいます。
・普段と違う場所・雰囲気や音(嫌いな音があります)に敏感な反応をすることがあります。
・不安になってパニックを起こすこともあります。
・声の音量調節が出来ず、突然大きな声を出す事があります。
・恐怖心から、人の多いところ(例えば避難所など)に入れない人もいます。

◆援助にあたりお願いしたいこと◆
・やさしい言葉でゆっくりと、目を見て話しかけてください。
・大きな声は出さないでください。(しかられていると思ってしまいます。)
・触られることをとても嫌がる場合もあるので、そのときは無用の接触を避けてください。
・言葉で伝わらないときは、文字、絵、身振りを使ってコミュニケーションをとってください。
・一度でわからなくても、繰返し話しかけてください。
・パニックになったら次のように対応してください。
刺激せずに落ち着くまで静かに待ってください。
力ずくではかえって逆効果になります。
収まってから静かにゆっくり、この後どうしたらよいかを説明してください。

車椅子を使っている人
自分の意志を伝えられる人と、伝えにくい人がいます。

伝えられる人
・その人の意向に従ってください。
・意志は伝えたいのに、言葉が不自由な人もいます。その場合はトーキングエイドや文字盤という道具を利用してコミュニケーションを図ることもあります。
・目線の先を追ってみてください。

伝えにくい人(身体障害の他に、知的障害もある場合もあります)
◆理解して欲しいこと◆
・突然の出来事に驚いて、緊張して身体が硬くつっぱったり、本人の意志とは無関係に身体が動いてしまうことがあります。
・麻痺している手足は感覚がない場合もあるので、ケガをしていても本人が気づかないこともあります。

◆援助にあたりお願いしたいこと◆
・車椅子についている安全ベルトで身体を固定してください。安全ベルトがわからなければ、紐等を利用してください。
・車椅子を押している時、手足がはみ出さないよう気をつけてください。(車椅子からずり落ちたり、手足が車輪にはさまって大怪我をすることがあります。)
・車椅子は動きやすいので、止まっているときは必ずブレーキをかけてください。
・必ずゆっくりと言葉をかけてから介助してください。
・知的障害のある人のところも読んでください。

失語症で言葉が不自由になった人
◆理解して欲しいこと◆
・認知症と違い、相手の話は理解出来ても自分の意志を伝える言葉がなかなか出てきません。
・早口で話されると、理解が追いつかなくなります。
・多くの人が、右手足の麻痺の障害があります。
・字が自由に書けない場合もあり、全体に体の動きがゆっくりです。

◆援助にあたりお願いしたいこと◆
・コミュニケーションをとるために、ジェスチャーや紙に字を書くなどをしてください。
・一人の経験豊富な大人として接してください。
(赤ちゃん言葉は使わないでください)
・相手の視野に入ってから、短い文章でゆっくり話してください。
・言葉だけでなく、身振りや、表情や、実物を活用しながら相手の気持ちを和らげてください。
・重要な事柄は、漢字やメモで確認し本人の記憶を補ってください。

精神障害がある人
◆理解して欲しいこと◆
・治療が順調に経過していれば、通常普通の生活が送れます。しかし、心の病気のため、ささいな言葉や出来事に傷つきやすく、病状が悪くなることがあります。

◆援助にあたりお願いしたいこと◆
・不安に陥らないように、ゆっくりあせらずに落ち着いた声で具体的に分かりやすく説明してください。
・本人の不安な気持ちを受け止めてください。
・何かがあった時、しばらくしてから疲れや不安が強くなることが多いので、薬を飲んでいる人は薬を飲むことを忘れないように伝えてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

アーカイブ